新米のtrance/forme

独り言です。心と体のバランスをとるために。

過去の話③ 教育実習

大学4年の時に、2回教育実習に行った。

1回目は小学校、2回目は特別支援学校だった。特別支援学校の方は今思い出してもかなりきつかったし、文章にも起こしづらいため、今回は書かない。

小学校の実習は、地元で行なった。残念ながら母校ではなかったものの、母校の隣。家から徒歩15分程度。環境的には最高だった。5年生のクラスに入ることになり、4週間授業をした。

大学2年の時からボランティアはしてきたものの、授業ははじめて。とにかく、たくさん失敗しまくった4週間だった!

忘れもしないのは、授業初日の社会。

大体の構想も練って、個人的には準備バッチリ!なつもりだったのだが、とある発問に対して想定していなかった答えが返ってきて...固まった。3分くらい、完全にフリーズしてしまった。結局、担任の先生に助け舟を出していただいてなんとか終わったものの、放心状態になったことをよく覚えている。担任の先生は笑って励ましてくれたが、思っていたよりも厳しい世界だ!と感じた出来事だった。

そんな感じではじまった教育実習だったが、トータルで見れば本当に楽しかった。何より、子どもたちのパワーが半端じゃなかった。元気印!みたいな子が二桁近くいて、授業中もガンガン手を挙げてくれるし、休み時間は毎回サッカーやらバスケやら縄跳びやらで運動尽くめだった。はじめてのこと尽くめでとても忙しかったが、子どもたちの明るさとパワーにたくさん助けられた4週間だった。

そんな教育実習には、大きな思い出が3つある。

一つ目は、運動会だ。幸運なことに、実習中に運動会があって、お手伝いをさせていただいた。組体操も応援団の指導もとても緊張したけれど、本番どれもカッコよくキメる子どもたちに深く感動した。そして何より、この行事を通じて、5年生以外の子どもたちにきちんと認知され、コミュニケーションをとれたのが大きかった。今でも地元に帰ると、たまにばったり遭遇して声をかけてくれるのは、当時の6年生だったりする。

二つ目は、研究授業である。色々な科目をする中で、担当の先生をはじめ色々な方から、「国語は得意だよね。算数超苦手だよね。」と言われ続けていたので、てっきり研究授業は国語でいくものだと思っていた。しかし、「まだ学生なんだし、どうせなら一番苦手なものに挑戦しな!」という言葉を受け、算数に挑戦することになった。それからは指導案を作っては添削してもらい、一緒に掲示物を作ってもらい、模擬授業をしてはこうしては?というアドバイスをもらいの毎日。こんな若僧に全員が手厚くサポートしてくれるのはとにかくありがたかった。当日は今までのどの算数よりも丁寧に、そして何より自分が楽しく授業できた。ふり返りでは暖かい言葉やアドバイスをたくさんいただいて、それは今も授業を作る際の肝となっている。

三つ目は、ありきたりだが最終日である。最終日の中休み。一人のやんちゃ君が、「バスケやろうぜ!」と声をかけてくれた。ここまでは、いつものことである。ただ、違ったのは体育館に入ってから。5年1組全員がこっちを向いてニヤニヤしている。何か横断幕がある。そう、お別れ会である。本当に気づかなかったのだが、完全にサプライズだったのである。ハンカチ落とし、リレー、サッカーと、一緒に大汗をかいて楽しんだ。彼らの心意気が嬉しかった。そして、6時間目はこちらの番である。授業の最後15分をこっちの時間にしてもらっていた。感謝の言葉を述べるとともに、一人ひとりに手紙と写真。よっしゃ、借りは返した!

と思っていたのだが、その後子どもサイドから更なるサプライズが。何と、彼らもみんな手紙を持っていたのである。全員で書いた色紙も。それからはもう、涙涙の時間。私はもちろん大泣き。何故か、子どもたちも大泣き。笑 それでも、特別な時間だった。

帰りがけには、何故かサイン会を開くことになった。5年1組だけではなく、4組まで全員、述べ120人くらいにサインを書いた。人生でこんなにサインを書くことなど、今後絶対にないと思う。(中には体操服とか筆箱に書いてくれ!って子が結構いた。もちろん断った。笑)

 

時間にしたらたったの4週間だったが、とても濃い時間だった実習。その子たちとは、実はその後もそこそこ交流する機会があった。

年賀状が来たこともあったし、彼らが6年の時には運動会に応援に行った。地元のフルマラソンに出た時には、沿道で中学生になった彼らが応援してくれたこともある(向こうは登校日だったとはいえ、これは嬉しかった!しばらく走るのを止めて、おしゃべりに夢中になった!)

残念ながら、昨年からは誰とも会えていないが、地元に帰った時には、きっといつかまた会えると思いたい。そして、彼らはいま中学3年生。受験生だ。

全員が望む進路に進めるよう、遠くからこっそり応援している。