新米のtrance/forme

独り言です。心と体のバランスをとるために。

学習発表会

先日、区の合同学習発表会があった。
私としてももう4回目だし、昨年度は輪番とはいえ、ブロック長として区全体を動かしたので、今年も役員としてそれなりの仕事が回ってくることがわかっていた。故に、構想自体は4月から緩やかに考えていた。


ただ、今年は過去一番難しかった年だった。まず、担任同士それぞれで考えていた構想に若干のズレがあったため、すり合わせをした。これ自体はよくある話だ。そして今年は、向こうのアイデアを基に演技を組み立てていくこととなった。これも、別に珍しい話ではないだろう。まずは大人が同じ方向を向くことは、とても大切なことだと思う。
しかし、2つ誤算があった。1つは、その中で、今年は組体操に挑戦することになったこと。2つ目は、組体操という考えそのものが無かった私が、中身を組み立てることである。
組体操と聞くと、高学年をイメージする人が多いだろう。しかし、今年のうちの編成は低が多く、高学年は1人しかいない。その1人は体の大きさも運動神経も並外れて違うため、どこでバランスをとるか非常に悩むこととなる。また、例年私は、1年間取り組んできたことを、セリフを交えて紹介するスタンスをとってきたため、0の状態から新しいことを入れていくことにかなり手こずった。自分の中になかったものを、人に与えるのはかなり難しい。さらに、ただでさえ忙しい季節だ。どうしたら効率よく、完成度高く、そして子どもたちが充実感をもって頑張れるようにできるか。それをかなり考えた。恐らく、今年度一番頭を使った。


また、これまでと違った点といえば、編成的に自分の色に染まってなかったところだろうか。これまで、私はいつも、学級全体で見れば私が担任している子が一番多い環境で過ごしてきた。故に、全体でやる時には、自分のカラーをわかってくれているメンバーが、意図を察してくれて動いてくれることが多かった。褒めるよりも、焚きつけることで頑張ってくれてもいた。高学年が多かったこともあるが。
しかし今年は、私が担任している方が少ない。はじめての経験だった。また、低学年が多いので、察してもらうというよりは丁寧に丁寧に声をかけ、焚きつけるよりも励ますことを考えた。これが例年とは違くて、思っていたよりもかなり苦労した。4年目にして、はじめて「難しい...!」と思った。


しかしそれでも、実態を考えたらややハードな要求に対して、子どもたちはよく頑張ってくれたと思う。当日、本番は最高だった。これまでのどの練習よりも良い出来だったと思う。集中して音をよく聴いていたし、コンビ技のタイミングもばっちりだった。お客さんからの拍手も物凄く大きかったし、客観的に見ても、上手いなあと思ってしまった。子どもたちも、満足感や達成感を味わったようだ。はじまる前に「成功や失敗よりも、自分でやりきったと思えるか。そう思えたら、もう100点だね」と声をかけて送り出したが、まさに当日は全員100点だったと言えるだろう。


また、私の担任している6年生には今回、閉会式で児童代表の言葉を担当してもらった。3年間一緒に色々とやって、頑張ってもらった秘蔵っ子である。3年前から区の行事で司会や挨拶をたくさん経験させていたので、他校の先生も名前を知ってくれている。成長も見てもらっている。だったら最後に、大きな舞台で盛大にやろうじゃないか!と担当を引き受けることにした。(今回は立候補する前に、どう?と聞かれた。それくらい認知してもらっているし、実力を買われてもいた。)
もともとこの子に関しては、区でも誰にも負けないと自信を持って推せたので、安心して送り出したが、堂々とした挨拶は想像以上に立派に見えて、思わず感動した。
終演後は、私もその子も、他校の先生や保護者にまで、たくさん声をかけていただいた。私は何もしていないのだが、認めてもらって嬉しかったし、誇らしかった。3年間一緒に歩いてきて良かったと思えた瞬間だった。


その子にとっては6年間で最後の行事、クラス全体としても、全員で取り組む最後の行事だったが、全員が同じ方向を向いて頑張れたことが良かったと思う。ぐっと絆が強まった気がした。同じメンバーで過ごすのはあと2週間だが、最後まで仲良く、協力し合いながら頑張ってほしいと思っている。